夏の日のはじめに
昨日は久々にゆっくりと時間をとれた日だった。
朝、家の近くの水田地帯に足を伸ばし 用水路の淵に座った。
用水路といっても、最近のように整備されたものでは無く
ただ地面を掘って水が流れるようにした、いわばちいさな溝。
その水の中を覗くと、そこには美しい世界がある。
数種類の魚たちが泳ぐ。
カニ、ザリガニ、めだか、どじょう、
ありとか、クモまで
すべての生きるものが美しく感じた。
太陽は眩しく照らす
水面はきらめき
流れる雲が光と影を生み
そしてぼくら。
熱かったけど、でも何時間でもそこに居れた。
とても気持ちの良いところだ。
そんな綺麗すぎる空間にポツリ空いたあの空間。
すぐそこまで出来ている新しい道路が
ザクリと緑を区切る。
この水田地帯の中央を貫く道路。
100mくらい離れた所には、もともとある道路に車。
同じ方向へ向かうための大きい道がなぜ
この のどかな地区に2本も必要なのだろう
あの道が渋滞なんてしたところなんて 見たことないんだ。
ちょっとした利便さを追求した計画が
二度と戻らぬものを生み出す。
そう思うと
それまで熱かった空気に包まれて、汗を拭いながら
楽しんでいた世界から、温度が消えた。
温度の無い太陽の光はまぶしさを増し
反射した光が周りを白色に変えていく。
ふと目が合ったかえるの目は
瞬きもせずに じっと僕を見ているように感じた。
朝から昼までそこにいて
最後にはあんな寂しい気持ちを見せられて
ぼくらは 何をしているんだろう。



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